【投資の基本】「ドルコスト平均法」とは?
最近はNISAなどを活用して「つみたて投資」をする人が増えてきました。しかし、中にはまだ投資に対して抵抗感があったり、「始めたいけど迷っている」という方も多いのではないでしょうか。
皆さんは「積立投資」がいかに画期的な投資手法であるかをご存知でしょうか。実は「定期的に一定金額を投資」するこの方法は、ドルコスト平均法と呼ばれます。
なんだかわかりづらそうですが、理論としては非常に簡単。
例えば、毎月1万円を「e Maxis Slim 全世界株式(通称オルカン)」という金融商品に投資することを考えてみましょう。オルカンというと少しややこしくなるので毎日価格の変動があるリンゴに置き換えても大丈夫です。
定期的に一定金額を購入するということは、当然ですがリンゴ(オルカン)の値段がいくらであれ1万円しか出さないということです。リンゴの値段が100円であれば100個、1000円であれば10個を購入することになります。
つまり、この手法を用いれば値段が安い時(100円)では多く(100個)、値段が高い時(1000円)は少なく(10個)買うことができるのです。
予測のつかない市場の中で、商品の購入単価を平均することが簡単に実現でき、一度設定をしてしまえば、チャートを毎日確認する必要もなく、ほったらかしで投資ができます。
ただ、この手法はその名の通り「ドルコスト(つまり購入コスト)」を「平均」することが目的なので、「一番安い時に買って一番高い時に売る」という、投資において最も利益の出る行動をとることができません。
しかし、そんなことはプロの投資家でさえ非常に困難です。これから上がると思って買ったものが暴落したり、下がると思ったものが高騰したりすることはよく起こります。
株というものは様々な要素が複雑に絡み合い、不確実なのです(ランダムウォーク理論)。もちろんそんな中でも利益を出す一定の方法はありますが、職業として投資をするわけでなければ大きなリスクを取ってまでする必要はありません。
そしてもう1つ、この投資手法の効果を保証する考え方が「複利」です。複利については別の記事で解説しています。この「複利」と「ドルコスト平均法」を組み合わせることで、長期的に少ないリスクで着実に資産を増やすことができます。
注意したいのはこうした投資は長期に向いているという点です。急激に資産が増えることはないものの、急激に資産が減ることもありません。短期的にみて損をすることはありますが、長期で見れば基本的には資産を増やすことができます。
初心者にも簡単に、安定的に資産を増やすことができる「ドルコスト平均法」は10年以上の長期で見れば、プロのトレーダーのパフォーマンスを上回る場合もあります。それほどまでに市場は不確実で予測のつかないものだということです。
ただ、そのためにはもちろん長期的に成長が見込める市場を選定する必要があります。オルカンのような金融商品が流行ったように、投資の基本は「分散」です。初心者であれ、プロであれ、投資の本質的な考え方は変わらないのです。
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