【読書記録】『天使と悪魔』著:ダン・ブラウン

 2006年に一世を風靡した『ダ・ヴィンチ・コード』で知られる、ダン・ブラウン氏のラングドンシリーズ第一作目。
 映画では小説の順番とは逆になっており、『ダ・ヴィンチ・コード』に続く2作目として公開されています。

 本作におけるテーマは「宗教」と「科学」。
 世界最大のキリスト教宗派カトリックの総本山「ローマ教会」と、宇宙の起源に通じるとも言われる「反物質」をめぐって、ローマを舞台に「イルミナティ」という結社がローマに隠した秘密を暴く壮大なミステリー小説です。

 現在では大人気の長編シリーズとなった本作の主人公は、ハーヴァード大学の宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授です。
 宗教象徴学という学問は現実世界には存在しないようですが、その名の通り、宗教における「象徴(シンボル)」の研究者として彼は事件に巻き込まれていきます。

 本作は単なる娯楽に留まらず、歴史や建造物、美術などあらゆる知識の宝庫で、知的好奇心をくすぐるという点でも高い評価を得ています。ただ、注意したいのはこれらすべてが事実ではないという点です。

 下巻の巻末の解説でも述べられていますが、冒頭に「イルミナティ関する記述もまた、事実に基づいている」と記載されているものの、中には事実ではない部分もあるようです。

 「事実に基づいている」という書き方は非常に誤解を生みそうですが、著者は確かな証拠資料と調査の上、歴史的事実からフィクションとして物語を紡いでいるようなので、その辺は切り分けて考えた方がよさそうです。

 ただ、物語の面白さは一級品です。
 映画では時間の制約の中で本作の面白さを伝えきれていないかなと思います。犯人の動機や歴史的な記述は当然ながら小説の方が詳しく、より興味深い内容になっています。

 宇宙の起源をめぐる科学と宗教の対立の歴史が物語の格であり、神が「光あれ」と言って宇宙を創造したのと同じように、反物質を生み出したビッグバンと宇宙の始まりにはまばゆいばかりの光があったというのです。

 科学的なアプローチで、聖書の記述を立証しようとしたCERN(欧州原子核研究機構 ※実在する組織)の研究者が殺害される場面から物語は始まりますが、物語は思わぬ展開を迎えていきます。

 私は3作ある映画は全て見ており、小説としては2作目である「ダ・ヴィンチ・コード」見たさに読み始めた本作ですが、あまりの面白さに上中下間を一気に読んでしまう始末。

 著者はかつて英語教師だったそうですが、どのような経緯でこれだけの知識を集め、さらにそれを爆発的なヒットを生む小説に昇華させたのか、非常に気になっているところです。

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