【乾燥肌?脂漏性皮膚炎?】頭皮トラブルに悩む全ての方へ
頭皮トラブルにお悩みの方へ
長年「頭皮トラブル」にお悩みの方の中には、どんなに調べても根本的な解決策が見出せず、もはや諦めてしまったという人も多いのではないでしょうか。
かくいう私も、かつてはそんな中の1人でした。
しかし、長きに渡る挑戦と失敗の繰り返しの中、これから述べる解決法を実践したことで、最近では頭皮環境が大幅に改善され、健やかな地肌と頭髪を手に入れることができました。
もちろん、全ての方にとってこの方法が適しているとは言い切れませんが、これまでの私の調査と経験をもとに、その根本的な原因と解決策をお伝えできればと思います。
かつての私と同じように悩まされているすべての人々に、今回の解決策が役立てばこれほど嬉しいことはありません。
頭皮トラブルの原因
さて、皆さんもよくご存知だとは思いますが、巷でよく言われる基本的な頭皮トラブルの原因は2つ。
- 「洗いすぎ」による乾燥
- 「洗い残し」による炎症
これを見た皆さんはこう思ったはず。

これってめちゃくちゃ相反してるじゃん。
自分は「洗いすぎ」なのか、「洗い残し」なのか。この対極にある2つの原因の判断を見誤ったら、解決とは全く逆の対処することになります。
判断の基準としては、頭皮の状態でいうと「パラパラとしたフケが出る・頭皮の乾燥が気になる」のであれば「洗いすぎ」、「脂っぽいフケが出る・髪がすぐにベタベタする」のであれば「洗い残し」のようです…。
ちなみにこの「洗い残し」には「シャンプーなどの洗浄剤」と「皮脂」によるものの2種類が存在するらしい。
しかし実際には、「頭皮は脂っぽいけどパラパラとしたフケが出る」という人も多いはず(私がそうでした)。この2つの原因が両立している時もありそうです。
自分が「乾燥肌」なのか、「脂漏性皮膚炎」(皮脂を好むマラセチア菌が原因と言われる)なのか、それ以外の何かが原因なのか、答えは一向に見つかりそうにありません。
しまいには「脂漏性皮膚炎の根本原因はまだはっきりしていない」なんて書いてある始末。
よく言われるシャンプーの洗浄力による「洗いすぎ」やシャンプーの「洗い残し」が原因なら、本当の悪者はシャンプーでは?とも思いました(これはあながち間違いではありません)。
では、いったい何が正解なのでしょう。謎は深まるばかりです。
そこで私が導き出した1つの答えは、原因は何であれ本来頭皮が持っている整肌能力を取り戻す必要があるという事でした。
壊れた皮膚のバリア機能を修復し、ターンオーバー(肌の新陳代謝)を正常にすることが根本的な解決につながると気付いたのです。
正しい頭皮ケア方法
さて、前置きが長くなってしまいましたが、「正しい頭皮ケアの方法」について紹介します。
まず大事にしたい考えは、「頭皮トラブルをシャンプーで解決しようとしない」ことです。なぜなら、そんなことは基本的に不可能だからです。
とはいえ、頭皮ケアで最も重要かつ影響力が大きいのは「洗髪」になるでしょう。
しかし、世の中に溢れる頭皮の洗い方は「爪は立てずに指の腹で優しくマッサージするように」というものばかりです。
でもよく考えてみてください。
顔を洗うときには「摩擦」を減らせだの「泡」で洗えだのと言う割に、同じ肌である頭皮には「優しい摩擦で洗え」と書いてあるのです。美容室に行って指の腹でゴシゴシ洗われた経験がある人も多いのではないでしょうか。
しかし、基本的には頭皮のケアは顔と同じです。摩擦を含めあらゆる刺激は減らした方がいい。
そして、皆さんはこんなことも耳にしたことがあるでしょう。
「お湯で頭皮の汚れの7〜8割は落ちる」
「そんなに汚れが落ちるなら湯シャンで十分では?」私もそう思っていました。結論を言えば、これは「半分正解で半分不正解」だと思います。
なぜかというと、基本的にはシャンプーなんてものは近代になって出てきた商品です。
シャンプーの広告の歴史を見てみると、「シャンプーは月に1回」→「1週間に1回」→「毎日洗おう」なんて感じで、どんどん謳い文句が変わっています。
これは完全に商品を売るための広告戦略です。うまく売り込んだものです。今ではシャンプーを使わない人を不潔呼ばわりする始末。
普通に考えて、200万年前の人類誕生から私たちはそのほとんどの期間をシャンプーなしで生活しています。つまり、どちらかと言えば「洗い残し」の方が間違いなのです。
洗髪の基本は「湯シャン」です。ただ、現代に生きる私たちにとっては少し事情が異なります。
かつてほどではありませんが現代に生きる私たちは、外に出れば排ガスや空気中の汚れ、料理などで発生する油汚れなどなど、ジャングルにいた頃とは比べものにならないほどの「汚れ」が空気中にはあります。
また、頭皮の「ニオイ」は湯シャンだけではなかなか落ちません。つまり、シャンプーを全くしなくてもよいということにはならないのです。
ただ、今までのように頭皮をゴシゴシ洗ったり、長い時間泡をとどめておく必要はありません。それ自体が、特に肌の弱い人にとっては十分すぎる「刺激」だからです。
正しい洗い方はこうです。
- ブラシで髪の絡まりをとく(ここでも頭皮には刺激をなるべく与えない)
- 湯シャン(シャワーの水圧だけで可能な限りの汚れを落とす意識で洗いましょう)
- よく泡立てたシャンプーを髪に馴染ませてすぐに洗い流す※(頭皮には10秒もつけない方が望ましい)
※3を行う頻度は人それぞれです。0にする必要はありませんが、この頻度を徐々に減らしていくことが大切です。頭皮環境と相談しながら自分に合った頻度を見つけましょう。決してゴシゴシする必要はありません。
シャンプーの使用は極力少ない方が望ましいですが、ニオイや皮脂が気になる時、大量の汗をかいた時、整髪料を使用した時は行いましょう。
必要なのは過剰な汚れを落とすことなので、頭皮のバリア機能や皮膚の健康を保つ役割を果たす常在菌の生態系を破壊しないことが大切です。
頭皮環境が安定しない間は、定期的(1週間~2週間に1回)にホホバオイルや椿油などでクレンジングしましょう。
やり方は簡単。ブラシで髪をといた後、適量(頭皮全体に薄く行きわたる量)のオイルを手に取り頭皮全体に馴染ませ5分ほど待つだけ。汚れや余分な皮脂を落とし、皮膚の乾燥を抑えて炎症を鎮める効果も期待できます(つけすぎ、やりすぎには注意)。
また、頭皮ローションや抗炎症性の外用薬を用いることも効果的です(こちらも使い過ぎには注意)。
シャンプーで治そうとはせず、市販や皮膚科で処方される薬で対処しましょう。スプレータイプよりもピンポイントで炎症に塗布できるタイプがおすすめ。
ここで注意して欲しいのは、外用薬は根本的な解決策ではなくてただの対症療法。本命は過剰な洗髪や洗浄剤を断ち、頭皮のバリア機能を修復することです。
そして、もう1つ重要な点は、日常生活でも頭皮に刺激を与えないことです。頭皮環境が悪化してくるとフケや頭皮の荒れ具合が気になって、掻きむしったり、爪でかさぶたを取ったりしやすいですが、それはさらに悪化させる原因になるのでやめましょう。
頭皮が荒れているときは整髪料を控えることをお勧めしますが、付けた場合はトリートメントを先に使用することで頭髪についた整髪料の油分とトリートメントの油分を乳化させ、シャンプーで落としやすくすることができます。
シャンプーは洗浄力の強すぎないアミノ酸系のものを使用しましょう。「殺菌・消毒」なんて書いてあるものは論外です。皮膚を守る常在菌に対する殺戮行為です。
継続が大事
皆さんに知っておいていただきたいことは、洗い方を変え、シャンプーの回数を減らす生活を始めると、必ずと言っていいほど頭皮が荒れ始めます。これはなぜかというと、長年の洗浄によって皮膚のバリア機能が破壊されているから。
しかし、ここで大事なのは「継続」すること。なるべく頭皮にダメージを与えず、流水だけで汚れを落とす意識を持ちましょう。
この方法をまずは半年から1年、根気強く続けましょう。「そんなに長いの?」と思った方もいると思いますが、破壊された頭皮の生態系はそんなに簡単には元に戻りません。
半年以上継続しても少しの改善も見られないようであれば、おとなしく皮膚科を受診しましょう。医師による指導が必要な場合があります。長く頭皮トラブルに悩まされていて皮膚科を受診されていない方は、まず医師に相談することも大切です。
皮膚のバリア機能を取り戻し、健やかな頭皮環境を整えていきましょう。