【読書記録】『いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』著・三戸政和
例えば、「フルタイムの会社員生活から独立して、成功を収めたい」と考えた時、皆さんはどのような選択肢を考えますか?多くの人にとっていわゆる「金持ち」は起業に成功した「社長」というイメージが強いのではないでしょうか。
私もその中の一人で、本書を手に取るまでは会社を買う(スモールM&A)という選択肢は全く頭にありませんでした。読み進めていくうちに、実はゼロから起業するよりも成功確率が高く、高収入を得るための選択肢と考えてもいいと感じるようになりました。
理由は大きく3つあります。
1つは無数にある中小企業の中で、後継者がおらず経営者の高齢化などによって経営を辞めざるを得ない会社が多く存在するということです。これは超高齢化国家である日本では特に顕著です。
2つ目は、ゼロからの起業と異なり、会社を買うという選択肢はたとえ赤字経営でも)これまで何年も利益を出し続けるための設備や人員が既に揃っているという点です。
もちろん、これを買収して利益を上げ続けるためには「会社選び」が非常に重要になりますが、特に中小企業の場合はなぜ利益を上げ続けているのか不思議なほど無駄な経費や非効率なシステムを使っている場合があります。
既にある程度完成された「利益を出すシステム」を買うことができれば、既存の安定した利益に加えて、そのシステムを改善することでさらなる富を生み出しやすい環境ともいえます。
3つ目は制度の充実です。私が読んだ本作は2018年に出版された書籍を2023年に改訂したものになりますが、マッチングサイトなどの拡充などによってこの5年で会社を買う市場は大きく変わり、より買いやすい環境になったようです。
さらには中小企業の担い手不足は日本という国家においても大きな問題のため、補助金などの制度が拡充され、タイトルにもあるように300万円でそれより大きな規模の会社を購入することができるのです。
もちろん、「スモールM&A」までの道のりは容易いものではありませんが、独立と聞いて真っ先に候補に挙がる「起業」よりは簡単かもしれません。
本書を読んであなたが経済的な自由を得るための選択肢の1つとして「会社を買う」ということについて考えてみてはいかがでしょうか。
本書は「会社を買う」という選択を考える上での入門書のようなもので、具体的に踏み切るための「会計編」や「ステップガイド」もありますので、ご興味があればそちらも手に取ってみてもいいかもしれません。