【自由への第一歩】私がFIREを目指す理由
働くこと
FIRE(Financial Independence, Retire Early)とは「経済的自立・早期退職」を意味します。十分な資産を築くことで、仕事から解放され、自由な人生を送るという考え方です。
一方、私が目指すのは「サイドFIRE」。これは完全なFIREの一歩手前で、一定の資産を築きつつ、働き方を自分で選べる状態です。フルタイムで働く必要はなく、生活費の一部を資産からの収入でまかないます。
サイドFIREは、FIREに比べて現実的で達成しやすい目標です。資産からの収入と自分の収入を組み合わせることで、より少ない資産でも「自由な時間」を手に入れることができます。
私がFIREを目指す動機はシンプルです。――「嫌な仕事をしたくない」から。どんな高尚な理由を並べても、今この時点でこれに勝る理由はありません。
とはいえ、「働くこと」そのものが人間にとって不要だとは思いません。むしろ、私たちは仕事を通じて「社会に貢献している」「共同体の一員である」という実感を得て、生きる意味を見出しているのです。
だからこそ私の理想は、「働かなくてはならない」ではなく、「働きたいから働く」状態になること。十分な時間と自由を手にしたとき、人は自然と「誰かの役に立ちたい」「好きなことに時間を注ぎたい」と思うようです。
生活のために仕方なく働いている限り、そうした欲求は芽生えにくいでしょう。だからこそ、まずは経済的な自由を手に入れた上で、自分の人生を見つめ直したいと考えています。
生きること
多くの人は「生きるため」に働いています。お金がなければ食べることも、住む場所を持つことも、服を買うこともできません。「惨めな思いをしたくない」「死にたくない」という欲望こそが、私たちを働かせているのです。
しかし、それが「幸せな人生」とは限りません。お金そのものが幸せを保証するわけではありませんが、金銭的な不安を抱えず、好きな仕事を通じて幸福を感じている人がいるのも事実です。
結局、私たちの人生における最上級の目標は「幸せになること」です。何を幸せと感じるかは人それぞれですが、私が大切にしている基準がひとつあります。――最期の瞬間に「幸せな人生だった」と言えるかどうかです。
オーストラリアの看護師、ブロニー・ウェア氏によると、多くの人が死の間際に抱く後悔は次の5つに集約されるそうです。
- 他人の期待ではなく、自分のために生きればよかった
- 仕事に時間を費やしすぎなければよかった
- もっと感情を素直に表現すればよかった
- 友人との関係を大切にすればよかった
- 自分の幸せを優先すればよかった
私はまだ26歳ですが、このままではきっと同じような後悔を抱えてしまうだろう、と感じています。なぜなら、フルタイムの仕事は人生の3分の1を占めているからです。
さらに睡眠を差し引けば、私たちが自由に使える時間は残りの3分の1しかありません。100年生きるとしても、自分のために自由に生きられる時間はたった30年ほど。そう気づいたとき、「生きるとは何か」という問いを避けられなくなったのです。
経済的な余裕を持つことは、幸せを得るための「第一ステップ」にすぎません。お金があるから幸せとも限らないし、お金がないから不幸というわけでもありません。
ただ、人生の大部分を「やりたくないこと」に費やしていては、最期に後悔せずにいられるはずがない。――これこそが、私がFIREを目指す理由です。