【人類最大の発明?】「複利」とは?――雪だるま式に増える仕組み

「複利は人類最大の発明だ。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」

この言葉はアインシュタインが言ったとされる。しかし、本人の発言という確かな出典は見つかっておらず、調査した名言研究サイトも「可能性はきわめて低い」としている。それでも複利の強力さを言い表した言葉として広く知られているので、これを手がかりに複利とは何かを考えてみたい。

複利とは「雪だるま」

複利は、投資家ウォーレン・バフェットの伝記(アリス・シュローダー著)の題名にもなった「スノーボール(雪だるま)」にたとえると分かりやすく、小さな雪玉を雪の上で転がすと、表面に雪がついて少しずつ大きくなり、大きくなるほど一回転でつく雪の量も増えて成長が速くなる。借金や投資の世界でいう「雪だるま式」とはこのことで、バフェットの資産が雪だるま式に増えたことも、複利の力で説明される。

数字で見る複利

たとえば1年で資産が10%増えるとして、1万円を投資すると1年後には1万1,000円になり、この増えた1,000円も再び投資に回すと、2年目は1万1,000円の10%にあたる1,100円が増える。はじめは増える額が小さいが、1万円の10%(1,000円)と10万円の10%(1万円)では大きさがまったく違い、利益を元本に加えて次の期間にはより大きな元本に利益がつく、これが複利である。

元本10万円を年利5%の複利で10年運用した場合を表にまとめた。

年数金額(円)増加分(前年との差額)
0年100,000–
1年105,000+5,000
2年110,250+5,250
3年115,763+5,513
4年121,551+5,788
5年127,628+6,077
6年134,010+6,382
7年140,710+6,700
8年147,746+7,036
9年155,133+7,387
10年162,889+7,756

年数がたつほど増加分が大きくなっていくのが分かる。

単利との違い

元本にだけ利息がつく方法は「単利」と呼ばれ、同じ10万円を年利5%の単利で10年運用すると毎年の利息は5,000円のままなので10年後は15万円になり、複利の約16万2,889円とは約1万2,889円の差が出る。差は小さく見えるが、期間が長くなるほど広がっていく。

倍になるまでの目安「72の法則」

複利でお金が2倍になるまでの年数は「72÷年利(%)」でおおよその見当がつき、年利5%なら72÷5で約14.4年になる(正確な計算では約14.2年)。あくまで目安だが、頭の中で手軽に計算できて便利だ。

積立投資と組み合わせる

複利は積立投資と組み合わせるとさらに効果が大きくなり、その仕組みは別の記事で解説している。

https://wit-and-tips.com/2025/07/21/%e3%80%90%e6%8a%95%e8%b3%87%e3%81%ae%e5%9f%ba%e6%9c%ac%e3%80%91%e3%80%8c%e3%83%89%e3%83%ab%e3%82%b3%e3%82%b9%e3%83%88%e5%b9%b3%e5%9d%87%e6%b3%95%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f/

複利は、逆向きにも働く

複利の考え方は、お金が減っていく場合にもそのまま当てはまる。投資にかかるコスト(手数料や信託報酬)は、毎年資産に対して一定の割合で引かれるので、資産が増えるほど引かれる額も大きくなる。

試しに100万円を30年運用すると、年5%で運用できれば約432万円になるが、コストが年1%かかって実質4%になれば約324万円にとどまり、わずか1%の差で約108万円も違ってくる。借金の利息も同じで、利息が利息を生んで残高が雪だるま式に増えていくため、カードローンやリボ払いのように金利の高いものには特に注意が必要だ。

だからこそ、「知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」という言葉は、複利の両面をうまく言い表している。

まとめ

  • 複利とは、利益を元本に加えて、さらに運用する仕組み
  • 時間が長いほど増加分は大きくなる(雪だるま式)
  • 単利との差は、期間が長くなるほど広がる
  • 複利は、コストや借金の利息にも、逆向きに働く

本記事の「年5%」「年10%」は、仕組みを説明するための仮の数字であり、将来の運用成果を示すものではありません。実際の運用成績は上下し、元本割れの可能性もあります。投資の判断は、ご自身の責任で行ってください。

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