私がプロテインをやめた理由――価格・栄養・健康、三つの重なり

社会人3年目の今年、ジムに通い始めてから数年になる。大学時代から数えて、間に大小の休止期間を挟みながらも、トレーニングは何となく続けてきた。

筋トレをするならプロテイン。そう信じて、学生の頃からつい1年ほど前まで、毎日1〜2杯を飲む生活を送っていた。

そんな私がプロテイン(パウダー)をやめた理由と、そこに至る過程について、書いてみたい。

価格高騰という現実

まず挙げなければならないのは、価格の高騰だ。大学で部活をしていた頃、プロテインは定期的に買う大事な栄養源だった。それが、ここ数年の値上がりで、当時とは比べものにならない水準になった。もともとは本格的なスポーツ選手やボディビルダー、重量挙げの選手など、その道を究める人たちの必需品だったものが、近年のブームで価格を押し上げられた面もあるのだろう。

プロテインとは、周知のとおり、精製されたタンパク質の塊である。商品によっては補助的な栄養素が加えられているが、本来であれば、鶏胸肉のような「本物の食品」から摂るに越したことはない。

これまでは、鶏肉を買うよりも安く、手軽に高たんぱくな栄養を摂れることがプロテインの魅力だった。けれど、価格差がほとんどないのなら、微量栄養素を豊富に含む本物のタンパク質源(鶏肉、牛肉、豚肉、魚など)を摂るほうが理にかなっている。そう考えるようになった。

微量栄養素という視点

食事に関する多くの本を読み進めるなかで、私が大切だと考えるようになったのが「微量栄養素」である。ビタミンやミネラルなど、必要な量はわずかでも欠かせない栄養素のことだが、私が注目しているのは量の多少ではなく、その多様さだ。複雑な動きと大きな脳を持つ私たちの身体には、さまざまな栄養が必要だと考えるからである。

精製された食品に含まれる栄養は、限られがちだ。ホエイプロテインも、筋肉の増強に必要とされる栄養が中心である。私たちの脳や身体は、想像以上に複雑にできている。タンパク質と、その吸収を助ける一部の栄養だけで足りるという考え方は、あまりに単純化しすぎているように感じる。

そう考えると、先ほどの価格の話とも重なる。価格差が大きくないのなら、本物の食材を摂るほうが私にはベストだ。そういう結論に行き着いた。

そもそも私は、筋肉美を競ったり、より重い重量を追い求めたりするために筋トレをしているわけではない。そうした競技者は、ときに健康を後回しにしてでも、その道を極めることを選んでいる。彼らにとっての最適解が、そのまま私に当てはまるはずはないのだ(もちろん、競技者の全てが皆プロテイン信奉者だと言いたいわけではない)。

重金属と腎機能への懸念

プロテインのデメリットとして、製造過程で混入しうる重金属や、腎機能への影響が挙げられる。かつての私は、信頼できる商品を選び、許容量を超えない範囲で摂っていれば問題ないと考えていた。

ところが、ある健康診断で、腎機能を示す数値がやや悪化していた。プロテインを1年ほど断ったところ、数値は改善した。因果関係があるかどうかは分からない。ただ、家系的に腎機能があまり強くない私にとって、これは大きな転機になった。

重金属の問題は、正直なところ、よく分かっていない。管理の行き届いた清潔な環境で作られた商品であれば、リスクは低いのかもしれない。ただ、本物の食品とプロテインを、メリット・デメリット・価格の三点で比べたとき、私にはプロテインのほうが分が悪かった。それだけの話である。

加えて、味付きのプロテインには、糖が含まれるものがある。人工甘味料が身体に害を及ぼすかどうかの議論は、ここではしない。ただ、糖の摂りすぎが身体に良くないことは、広く知られているとおりだ。

総じて、高度に精製された食品を積極的に勧める確かな根拠に、私はまだ出会えていない。プロテインも同じで、質量あたりのタンパク質の濃度が自然な食品に比べて高いことは、予期せぬ健康上のリスクをはらんでいるのではないか。そう考えている。

これから何を摂るか

プロテインをやめても、タンパク質が筋肉の合成に不可欠であるという事実は変わらない。食事管理を徹底できるほど几帳面ではないので、動物性・植物性のタンパク質をなるべく満遍なく摂る。その程度の心がけで、日々の食事と向き合っている。

筋トレの有無にかかわらず、タンパク質は私たちの身体をつくる欠かせない栄養素だ。日々の食事で不足しがちな人や、通常の食事だけでは摂りきれないほど必要とする人にとって、プロテインは今後も有効な選択肢であり続けるだろう。

私がプロテインをやめたのは、プロテインそのものを否定するためではない。価格、栄養、健康への懸念。この三つが私のなかで重なった結果にすぎないのだ。

なお、腎機能に不安のある方は、自己判断で食事を変えず、まず医師に相談してほしい。

プロテインの需要が伸び、健康意識の高まりとともに筋トレをする人が増えているのは、とても良い流れだと思う。皆さんも、ご自身にとって無理なく続けられる、後悔のない選択をしてほしい。

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